海辺の風景

海野さだゆきブログ

『YUKIHIRO TAKAHASHI LIVE 2018 Saravah Saravah!』 109シネマズプレミアム新宿

映画の前売り情報をみていましたら、幸宏さんのライブをやるというではありませんせんか。これは行かなくては!

 

と、何も考えず席を予約購入。金額が随分と高いのに取ってから気が付きました。

 

でも、これブルーレイになっているんですよね。。。その上映でなんでこの値段?

 

そうか、この映画館は教授が音響に関わったまさにプレミアムなハコなんですね。幸宏さんのライブを教授が関わったハコで観る。これは最高の企画ではないですか。最高のお別れです。。。。。

 

IMAX並の大きなスクリーンで観るライブは臨場感がありました。映画館はほんと高級ホテルみたいな雰囲気でゆっくり楽しめました。

 

『Whar me worry』擦り切れるほどレコードを聴きました。木造アパート、暑い夏、何もかもうまくいかない大学生活、映画館に引き籠もり、、、、。少女漫画に文字通り埋もれていた四畳半で、このレコードは別世界をみせてくれました。

 

当時、ここまでユニークで高い音楽性のサウンドは他に見当たらず、本当に衝撃でした。とっても影響を受けました。

 

バンドやるんだと入ったサークルでも、どこか悶々としていた僕。映画音楽が、それもアマチュアの映画の、をやりたかったのに、すぐに空中分解する企画、音信不通になる「監督」、精神不安定なスタッフ、、、、、

 

それでも四畳半で僕は架空のサウンドトラックを作り続けていました。当然バンド活動は続けられずサークルも脱退。ひとりぼっちの多重録音。

 

購入したリズムマシーンは必ず「ユキヒロ」と名付けていました。幸宏さんのドラム、大好きだったのです。

 

すべてに行き詰まった感覚につぶされそうになって、羽田の多摩川河口で夕暮れから、ぼーっと土手に座って、生ぬるい夜に飛び交う飛行機、不夜城みたいなコンビナートの明かりをみていた夏。。。

 

いまでも思い出すと胸がつぶれます。その中で綺麗に光る音楽。支えてくれた幸宏さんたちミュージシャンの作り出す音楽。感謝しかありません。

 

真っ暗だった僕の4年間の大学生活。就職活動も不調におわり、「住所不定無職おまけに低収入」な未来が決定した時に、気分はなぜか魔法のように黒い霧が晴れて抜けるような青空になりました。

 

『What me worry』の青空。

 

欝状態の反動だったのかもしれません。長年意中の女の子ににこにこして告白して即刻ふられても、そうかあ、ありがとうね、で、「あなた前と別人」と驚かれたり。就職面接ではシーンとしていた控室でひとりご機嫌にとなりの人に話しかけて連絡先を交換したり、、、

 

まさに冬が終わって春が来たようでした。

 

そして、中学の時の友だちと貧乏野宿旅を始めた早春。バリバリ凍るテントで寝ていた僕ら。そんな時にアパートに某地方自治体からの採用通知が届いていたのでした。

 

ありがとうございました。幸宏さん。あなたの音楽がなければ僕はとっくに終わっていました。僕も残りの人生楽しみます。