海辺の風景

海野さだゆきブログ

2016-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『ストレンジガールは甘い手のひらの上で踊る』森田季節 著 文倉十 イラスト

まさかの「ベネズエラ ビター」「プリンセス ビター まいす マイスウィート」の続編って、本当にそうですね。 タマシイビト、イケニエビトの終りなき物語。ですけど、今回は、記憶をめぐるサスペンスとなっています。 最初は正直ちょっとダルイ感じがしまし…

『武蔵くんと村山さんは付き合ってみた。』第一巻 なるあすく

奥手同志が付き合い始める、もちろん、すべて初めてのことゆえ、すべてがぎこちない、そしてすべてが新鮮。 このお話の白眉はなんといっても最初なのではないでしょうか。武蔵くんにからかわれたと思った村山さんが「私と付き合えって言ったら、付き合えるわ…

『なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である』中島 聡 著

あら、伝説の中島さん、本を出したのですね、と読みました。「Life is beautifull」はちょくちょく読ませて頂きました。こうした自己啓発本を出すような人とは思えなかったのですけど、と読みました。 なるほど、そうなんですよね、わかりました。 本は、ず…

『会社が消えた日 三洋電機10万人のそれから』大西 康之 著

山一證券の最後の処理を請け負った「しんがり」といい、なぜか会社の最後の本が気になる私です。最高意思決定の場に現実なるものはしばしば存在しない、特に負けているときには、ということでしょうか。 負けに不思議の負けはないそうです。そうですね、こう…

『ざるそば(かわいい)』つちせ八十八 著 憂姫はぐれ イラスト

ギャグ、特にナンセンスギャグは揺り動かないポリシーが必要です。正面切って設定された人物やらなにやらを簡単に置き換える程度では本歌取りにもなりません。元ネタを逆照射することで、元ネタが持っていたテーマ性を先鋭化するくらいの根性がなければ、単…

『きょうの日はさようなら』一穂ミチ 著

父親が突然つれてきた親戚の女の子。彼女は家族を失っているということ以外は謎が多い。同世代の娘、息子のふたりは、彼女のことを知ってゆくなか、想像もできなかった事情を知る。そしてやがて訪れる別れ。 これは一種のタイムトラベルものと言ってよいので…