海辺の風景

海野さだゆきブログ

『沈黙の艦隊』吉野耕平監督

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大沢たかお出演映画にはずれなし。

 

例によって内容に触れてますって、観ないうちに何を知りたいのでしょう?映画を観ることと映画を語ることは別です。

 

原作マンガはニューヨーク沖に浮上あたりまでしか読んでいません。どう終わったのか知らないのです。映画は始めの方を扱っていますので、そこの展開は分かっていました。

 

もともと、かわぐちかいじさんがこういう戦争ものを描くようになったのは、半村良さんの『軍靴の響き』をマンガ化したのが切っ掛けだったようです。原作は日本の再軍備への道筋を精緻に描いてあり、僕は読んでぞっとしました。

 

半村さんはかわぐちさんがその後、日本の防衛、軍備の問題に取り組み続けたことを肯定的にみていたようです。

 

ただ、かわぐちさんの絵や話のテンポは深刻重厚とはならない、どこかかわぐちさんの人の良さが出ていて、最初の始まり方からみて、大規模な破滅、死屍累々というのは避けられないはずなのに、案外平穏に終わるんですね。

 

一方、映画は観ていて怖かったです。

 

第七艦隊に囲まれ、対潜ミサイルを打ち込まれたときには、そのリアルな迫力に本当に怖くなりました。スタッフは戦闘シーンをカッコ良く見せるよりも、その凄さ禍々しさを押し出したのだと思います。

 

もう、あとは圧巻。まさに

 

我々は、この現実を見つめなければならない。

 

というテーマを突き刺してきました。それは

 

兵器の怖さではなく、人間の怖さ

 

を描くということです。僕にはビンビン伝わりました。

 

大沢さんの演技は素晴らしかった。原作ではどこか飄々とした海江田ですが、映画では底しれないものを感じて、とても複雑な思いにかられました。

 

この男をどの程度信じられるのか?

 

国家からしたとんでもないテロリストですよね。。。。太平天国の乱を今の時代にやろうってわけですから。

 

恐ろしい問題提起をして映画は終わります。公開初日初回。それでも30人くらいの観客が見に来ていました。関心は高いと思います。

 

こりゃあ、原作最後まで読まないとだめだな、と思い、読み直し始めています。

 

そうそう、僕は子供の頃から潜水艦が好きでした。プラモも飛行機や戦車ではなく、潜水艦を買ってもらって作っていました。小沢せんせいの『サブマリン707』『青の6号』が大好き。テレビの『原子力潜水艦シービュー号』は大ファン。プラモを買って、遊んでいました。

 

お風呂で潜水艦のプラモで遊ぶ子供(笑)

 

フライングサブっていう艦載機がまたお気に入りでいつも飛ばしてました(笑)。

 

ああそうそう『Uボート完全版』は映画館でちゃんと観ましたよ。腰痛になったけど(笑)あれもすごい映画でしたね。。。。

 

この映画は潜水艦映画としてどこに出しても恥ずかしくない、胸張れる作品だと思います。

 

IMAXで観れば良かったなああ、、ってもう一回行こうかな。