海辺の風景

海野さだゆきブログ

『絶深海のソラリス』全2巻 らきるち 著 あさぎり イラスト

ネット上の灯台としてありがたく読ませて頂いている「超ゲームウォーカー」さんのおすすめのラノベですから、読まないわけにいきません。購入からちょっと時間が過ぎてしまいましたが、たのしく一気に読みました。

 

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『アビス』や『エイリアン』や『プレデター』などを予想していたのですけど、いやいやどうしてどうして、そうした「既視感」にはまったく襲われるどころか、かなり歯応えがありまして、ガリガリ噛み砕いて読み進みました。

 

もちろん、先行作品の影響はあります。って、ない作品などこの世の中にないでしょう。問題は「ご存じ」をいかに魅せるかにかかっているわけです。

 

いやあ、戦闘シーンの重量感ったらないですよ。たまりません。あたしゃ「音」が聞えちゃいましたよ読みながら。「敵」のパワーがすざまじいのですよ。おいおい、これじゃあ火力がたりねーよお!どうすんだよおー!って追い詰められ感も凄いので、ページをばしばしめくってしまいます。

 

そして、索敵からはじまり、初動、展開、など、戦闘の進行がすこしずつ間違えて、その間違えが更なる状況悪化を招き、と真綿で首をしめられるような「負け戦」の重圧。

 

いやあ、心拍数上がります。

 

まあ、ライトノベルですから「ねーよ帝国主義」通りに「かわい子ちゃん最低5人は出しておけ」はありますけど、その女の子の軽い口調がなければ、ヘビーすぎて読後の疲労感がずっしり来てしまうでしょう。ラノベの美点ですね。

 

2巻目はリターンマッチなんですけど、更に状況は厳しく、おいおい、このまま全滅で終りか、と読んだ人は全員思いますよ、ほんとに。

 

これ、よくできたアメリカの連続ドラマに対抗できます。はい。いやあ、面白かった。「超ゲームウォーカー」さんにまた感謝です。