現代ブラジル。超珍しくも国内盤。男女デュオ。と言っても、女性ボーカルとベースの二人。
こう言うと、バンドサウンドを思うだろうけど、本当に歌とベースだけなのだ。ジャズではたまーにあるけど、これはジャズとはまったく違う音楽。つまりジャズ的なコードワークで作られていない音楽。あ、ジャズ的な作品もあるけど、ほとんどは違う。もっとネイティブな音楽だ。
なんでも、ライブの時にバンドのメンバーが間に合わず、おいおい、そこがブラジルか?、急遽ベースだけでというアレンジをしたら、案外上手くいったそうで、その形態がふたりとも気に入って、意識的にふたりだけでやろうと始まったデュオだそうで。
しかし、このベーシスト、ムチャクチャうまい。エレキベースはもとより、コントラバスも弾き倒す。そして、この編成にあわせてのことだろうけど、ものすごく打楽器的なニュアンスを出している。
レコーディングはオーバーダブしてあるけど、youtube観ると、ライブでも聞いた印象は変わらない。つまり、オーバーダブは本質を損なっていない。そこんとこも凄い。
Bophanaで織原さんが試みていたプレーと方向は一緒。Bophanaはギターがあったけど、こっちはそうしたコード楽器はいないので、ボイシングでぶっ飛べる。
どうも最近の早弾きとか高速スラッピングとかにうなづけなかったのだよね。「下から支える」っていう楽器の基本、存在意味を忘れているってね。
「ベースマガジン」とりあげないよねえ。でもねえ、これぞベースっていう演奏なんだよ。ベースやっている人はこれ聴いて、絶対にこにこすると思うんだ。