海辺の風景

海野さだゆきブログ

『たまゆら』シリーズ

佐藤順一監督、こういうの作っていたのですね。こういうの「丁寧に描いている」と評価されるんでしょう。僕は強い既視感がありました。

 

これ、あの頃の少女マンガだ.。.。。

 

1972年秋、僕は少女マンガに遭遇しました。まさに頭を殴られたような衝撃でした。入院中の病院の待合室。ぼろぼろになっていた別冊マーガレット。.。。

 

以来1980年代半ば過ぎまでどっぷりと使っていました。刊行されていた雑誌はほぼすべて買って読んでいました。その僕の感想ですから、外れていないはず.。.。か思い切り外しているか.。.。

 

たまゆら』はこれだけ女の子や女の人が出てきていますが、恋愛要素はほとんどありません。これは近年他の作品にもある傾向なのかもしれません。『けいおん』とか。え?らきすた?(笑)。ていぼう日誌?(笑).。.。。

 

まあ、老人からすると、女子集団で学園生活を描くというのは、照れからくるのかなあ、、、と思います。その年齢の男子って、、、、考えることと来たら、、、、、身も蓋もない、、、、、ですから.。.。

 

よく「中二病」っていいますけど、あれ「中二男子病」ですよね(笑)

 

で、その部分を取り除いてしまうとリアルじゃない感じがするので、その如何にも男子っぽいところを取り除くと、、、男子マイナス男子イコール女子、、、なのかもしれません。

 

で、作品に戻ると、あのころの少女マンガの中でも、恋愛要素がそれほどない、もしくは全くない?みたいなものは沢山ありました。

 

叙情派、、、とでも言いますか.。。僕には石ノ森先生の影響下の作品なんですけど、、、ですね。

 

時代はそういう方向に動いていたと思います。少年マンガもそっちへ行った作品が結構あったような、、、、『750ライダー』なんて典型だったでしょう。

 

そうした流れをこの2020年にアニメで観ようとは思いもしませんでした.。.。主題歌やエンディング、挿入歌の作家たちがこれまた「あの頃」なんですねえ.。.。これもびっくりしました.。。よく書いてくれたなあ、、、、、.。.。

 

僕はこの作品は佐藤監督のあの頃の少女マンガへの感謝を形にしたものなのかなあ、と思いました。

 

しかしまあ、なんて丁寧な作りなんでしょう。最後、卒業をめぐる四部作まで、きっちりけりをつけましたね。長い年月をかけて描ききりましたね。こういうのが観たかったひとが沢山いたんですねえ.。。

 

大林監督風に言えば「幸せな作品」。佐藤監督、良かったですね。