少年マンガの恋愛ものもまた、ねーよ帝国主義が席巻しています。このまんがはいわゆる「ツンデレもの」に分類されてしまうのでしょうが、それだけではありませんでした。そのツンデレの内側に入り込み、色彩豊かに描いた傑作。
つり目でかわいい、黒髪ロングの、スタイルよい女の子。もの言いはきついけど、その後にみせる心情はまっすぐで。。。。。
ねーよ。
このまんがをためし読みで最初の1話くらい、もしくはためしに1巻目買って読んだ方は、「なーんでツンデレものか」、ちょっとこの女の子のきつさはついてけねー、などと思うかもしれません。
そこでこの話を読み終えてしまうのはまったく勿体ないです。
マンガ家が恋愛ものを描くときの心情ってどういうものなのでしょうか。色々あるのかもしれないですけど、僕はこの作品に
「こいつらにこんな恋をさせてあげたい」
そんな作者のキャラクターへの思いを感じ取りました。なので、実は最初試し読みで終りそうだったのですけど、思い切って全巻購入したのです。
その「こいつ」はもしかしたら過去の作者自身であるかもしれませんし、知人友人かもしれません。いずれにせよ、つきあいだせば出くわす困難につまづいて終ってしまいかねない場合でも、「こいつらにはこういう風に乗り越えさせたい」と筆が進んでいった、そんなものが読み取れるのです。
ふたりのなれそめはずっと不明です。気になりますよ、すごく。そして、最終巻、それはすこしずつ、すこしずつ描かれて行きます。それを読み進むうちに、読んでいる僕もまた、「こいつらにはこういう恋をさせてあげたい」という気持でいっぱいになりました。
いいですよ、恋愛は。人を変えるって、その通りです。どうせ変るのならば、こんな風に変りたいですよ。恋人は、妻は、最後の最高の友人でもあるわけです。
還暦近いじじいが言います。お勧めだよ、これは。