海辺の風景

海野さだゆきブログ

『.hack G.U last record』

『エンターテインメントという薬』という本で号泣した僕は、そもそもこのゲームをしたことがなかったのでした。この作品は2006年から2007年にかけて発売された三部作だったのですね。それがリマスターされ、第四部が追加されたのですね。

 

ゲームの中でゲームにログインしたり、ログアウトしてメールを見たりするのは中々に新鮮で面白い仕組みだと思いました。ここではゲームは「メタゲーム」なんですね。

 

当時はまだまだ回線速度が出ていませんから、ネットゲームを実感できた人はまれだったのではないでしょうか。このゲームはその未経験の人にネットゲームを感じてもらうための色々な工夫がしてあるように思いました。

 

そう、「メタゲーム」感です。その「メタ」と現実との関係性を暗示するような「未帰還者」「ドッペルゲンガー」。なかなかおもしろかったです。「未帰還者」と聞けば押井監督ファンならば、すぐに『アヴァロン』を思い出しますよね。もちろん僕もそうです。あの「黄金色」のほの暗い雰囲気をこのゲームでも感じることができます。

 

次第に明らかになって行くThe Worldというゲームの真実。主人公の変化。新たな出会い。ストーリーが面白いのです。戦闘は確かにちょっと単調かもしれないですけど、「ドッペルゲンガー」という仕掛けにはうならされました。あれ、気が付かないと全然前に進みません。ネットワークゲーム上の人格とリアルの人格との関係を問うているような、そんな仕掛けのように感じました。

 

現在『S.A.O』をちょっと始めていますが、本当に選択肢が多くなったのに驚きます。僕には『.hack』くらいが丁度良いです。操作を覚えきれないので(笑)。途中、操作へのアドバイスが出る『.hack』の仕組みは、健忘な老人にはありがたかったです。

 

三部作は確かに長大でしたけど、僕はまったく飽きることもだれることもなく、それどころか、この先どうなるのか、と興味がつきませんでした。なかなかの傑作ではないでしょうか。

 

かの青年がどうしても見たかった、やりたかった、その気持がわかりました。第四部がプレイできて、本当に良かったですね。あの、ヘンテコな方のエンディングも楽しめたのかなあ(笑)