こんなことがあったのですね。
ちょっと前にこの本のことを書いたような気がします
両者ともコメントを読みますと、不評なんですかね。僕はどちらを読んでも「そういうこともあるなあ」としか思えなかったのですけど。
まあ、朝から晩まで病室の揺れるカーテン見ていた小学生時代とか、全身ギプスで朝から晩まで天上見ていた中学2年の夏とか、知り合いゼロの土地の新設高校に入学したとか、燃え尽き症候群になりアパートで寝ているか映画館に籠もるかだった大学生活後半とか.。.。
あれ、めちゃ孤独じゃないですか。よく生き延びたなあ、我ながら.。.。大学3年の秋ごろですか、クラスメイトに、おーいって2階から呼び止められて、振り返ったところを写真にとられたことがあって、その写真もらったんですけど、見ると「暗い」を絵にしたような奴ですねえ、僕。あの時は次々と友だち失っていったんですねえ、でもなんで彼は僕の写真なんてとろうと思ったんでしょ?
現時点でも僕は友だちいないですね。今の仕事では一日誰ともしゃべらないなんて普通ですし。週4日しか働いていないし.。.。
僕は相当危ないじゃないですか(笑)
孤独な老害野郎じゃないですか。.。.。困ったなあ.。.。
たぶん、ですけど、僕は子供のころからこの状況に対してやっていることは同じです。
妄想を形にする作品作り。
病弱少年はまんがを描き始めたんです。世界と隔絶してましたから、自力で世界を構築しようとしたんでしょうか。いやあ、現実逃避と言いたいところですけど、病状はそんな余裕与えてくれません。
そう、ここで「世界」って言いましたけど、子供の僕は「世界」を発見、もしくは発明したんですね、たぶん。
今でも「異世界もの」ってラノベとかまんが、アニメ、ゲームで盛んに作られていますよね。同じだと思っています。
石ノ森先生の作品の中でもとびきり好きだったのは『奇人クラブ』『千の目先生』『ブルーゾーン』とかでした。現実の中で別の現実を生きている異形の者たちがいるってやつですね。
中学2年の交通事故入院をきっかけに少女まんがにどっぷり浸かるようになったのも、その強烈なファンタジー性からでしょう。
中2病?そうだったのかもしれないですね。そのまま育つと危ない新興宗教とかにはまりそうなものですけど、いかんせん身体性が強固にフィクションを許さないんです。病気やケガのもたらすリアル性は本当にすごいです。
お前の現実はこうなんだぜ。
はいはい、と全部受け入れた上でないと、そこから先生き延びることはできません。
「なんだよこいつ泣いてるよ」
交通事故後のリハビリ、当時リハビリってこと自体珍しかったんですよ、で痛くて痛くて汗なのか涙なのかわからないものが後から後から出てくるんですけど、脳出血系からの機能不全でリハビリしているおじさんたちから、少年はいつも笑われてました。
え?なんてひどい大人たちだって?
いえいえ、プレハブ10畳くらいしかなかったリハビリ室は明るい楽しいところでしたよ。僕は好きでした。
痛いと涙が出るのは生理現象ですから。おじさんたちの方がめちゃくちゃきつい状態で、よく自分を笑ってましたから。おじさんたちが、ちくしょーっとか、泣き叫ぶのも条件反射ですから(笑)
で、おじさんたちは、時々夜に病院脱走して焼き鳥やで酒呑んでいたんですよ(笑)。僕はいつも見張り役させられてました。まあ、僕も少女マンガ買いによく書店まで脱走してましたけど(笑)。
で、老害ですよね。脱線ばっかりですみません。これも老害のうちです。
老病死は不可避の苦しみとお釈迦様はおっしゃいましたそうです。その通りなんですけど、それが生じるものはすべて滅するというこの「世界」のリアルですよね。
そのリアルを身体は常に突きつけてくるのだと思います。何かができなくなる、とかいうことで身体はリアルさを確保してくれる、そう思うのです。
ああ、僕も「世界」の不滅の法則通りちゃんと滅びてるわけよねえ、、、とか。
妄想世界では精神不滅とか中2病全開であっても、身体のリアルはその暴走を食い止めてくれるのではないでしょうか。
ずっとランを趣味にしている人は、どんどんタイムが落ちてくるとか、回復に時間がかかる、とか今までにない痛みが出てくるとか、、、、
楽器やっている人は、あのフレーズ弾けなくなった、とか、楽器が重くて腰が痛いとか、ベース弾きあるある(笑)。オリジナルのキーでカラオケ歌えなくなったとか、息切れしてだめ、とか。
皺だらけになり、色あせて、しぼんで、ああ、僕はやがて日本の土地に帰還するわけよね.。.。。とか、思えませんかね.。.。どうでしょう。
『交響詩篇エウレカセブン』じゃないですけど、段々違うものになって行くってのも悪くないじゃないですか。
「年を取ると走れなくなるんじゃない。走らないから年をとるんだ」。
身体性を手放してはなりません。体が教えてくれることを無視して妄想に走るから「ガンコ」、老害になるんじゃないでしょうか。
そう、僕らはいつか彼らと再会しますよ。