海辺の風景

海野さだゆきブログ

『限界集落株式会社』『脱限界集落株式会社』黒野伸一 著

若者、よそ者、馬鹿者。この3つの「人種」が地方の停滞を回天させることができる、そうです。そうですね、まったくそのとおりですね。ことは「地方」に限らないでしょうし、ことは日本に限ったことでもないでしょう。

 

一見地方過疎化問題に特化した話に見えますけど、この国の、って僕はこの国のとしか言い様がないのですけど、問題すべてにあてはまる共通した要点がここにはありますね。

 

解決策を持ち寄る。

人の問題を「同時に」解決する。

ですね。

 

最初の「持ち寄る」って、これができないんですね。そもそもその場を仕切る人間が「持ち寄る」ということの意味を分かっていないのですね。

 

知的、というのを僕は「複数の解決策を提示できる、実行できる力」と定義しています。実際に即して言えば、リーダーがどれだけ「それぞれの意見立場を言わせることができるか」ではないかと思います、この国では。言うイコール言ったことには責任を持つ、が分かっているので、責任を負うことを厭う人は何も話さないのですね。

 

そして、こと組織の改革では「外部」をどれだけ意識できるかで、勝敗は決してしまうのだと思います。はい、「上司がお客さん」状態というのが停滞と混迷と失敗の原因であることがほとんどではないかと思うのです。「お客さんは外部にいる」わけですよね、普通は。

 

んなこと農作物を商品として買う人には関心がない、って部分に作り手がこだわっているからこそ停滞と混迷と失敗が生じていたわけですよね。

 

なかなかに痛快な話が終って、続編は「あれ?」という視点から前作を見直す感じになっています。これ、なかなかの力業です。うなりましたね。

 

でも、問題解決の道筋は同じ。「複数の解決策を提示、実行できるか」ですね。

 

しかし、どうして若者馬鹿者よそ者なんでしょう。内部からの改革はないのでしょうか、ね。