SFの好きなところは何と言っても
別世界にぐいぐいと引っ張ってくれる
です。
「ねーよ」なんて雑念をすべて吹き飛ばし、「ありうる、いやこうでなければならない」と説得されるのが良いのです。
この作品も最初から謎がなぞのまま話が突っ走ります。それを支えるのが独特の絵です。うまいかどうかよりも「これを描きたい」豪速球なのです。
戦い、また戦い。どこに終りがあるのでしょうか。果てしないバトルの先になにがあるのでしょうか。
そうしたストーリー的な幸福感よりも、強い「前へ」というメッセージが作品のすべてなのかもしれません。
話も作画も突っ込みどころはあるには違いありませんが、僕は描きたいエネルギーを紙面にぶつけた作品が結構好きなのです。読み手を選ぶ作品かもしれませんが、ここにしかない何かすごいものがあるのも確かなのです。