LeAnn Rimesは僕が世界一好きな歌手です。最初の歌声を聴いた瞬間を今でも忘れません。車を運転中でした。ラジオから流れてきた歌声に電撃的衝撃を受けました。渋滞の交差点待ちで、僕は歌手の名前を逃すまいとあわててそこにあったガソリンスタンドのレシートに書き付けたのでした。
天才少女は天を駆け上ってゆきました。グラミー賞、ソルトレイクシティオリンピック、インディ500での歌唱、などなど、本当にまばゆいばかりの航跡を残して行きました。
その成功のなか、プライベイトでは色々あったようですが、聴き手からすれば歌手に求めるのは歌唱だけです。僕は雑音はまったく気にしませんでしたが、公式ウエッブサイトがいつのまにか変わったり、所属レーベルが変わったりで戸惑ったことはありました。
歌手ももちろん人間です。その色々の果てにたどりついた歌に何かが含まれて、あるいは欠けているのは聞き取れます。辛い時期があったようです。しかし、彼女は歌い続けてくれました。
日本ではほんと、知名度が低いのですけど、世界一級の歌唱を聴かせてくれる歌手です。
その彼女の新しいアルバムには驚きました。
ペギーリーの『貝殻』
とか
オリビアニュートンジョン『 Warm and Tender』
とか、天才が驚かせてくれた作品を即思い出しました。
このふたつの作品も歌手という側面より、その人なりを強く感じさせるものでしたが、LeAnnの新作も人間LeAnnをすぐ近くに感じさせる、そしてなにかこう、ともに同じ時代、世界を生きているということを感じさせてくれました。
たどり着いた景色を歌うことで見せてくれたこの新作は本当に素晴らしいです。