ご存じのお話を舞台化、いえ歌舞伎の演目として実現してしまったのです。
これを知ったときに、まず思ったのは「あの話のどこまでやるのだろうか?」でした。なんとあのマンガを最初から最後まで見事にやってしまったのでした。これは本当にびっくりです。
これまたよく知られているとは思いますが、あの映画はお話のほんの始まりに過ぎません。舞台でも第一幕です。そう、そこからが長いのです。
昼夜通し、昼の部は11時開演、夜の部が終わるのが20時半。間がありますが、7時間半です。
これが観られたのは人生の幸運です。チケットは購入する時にあれよあれよと座席がなくなって行くので、焦りました。お金の問題があって、安い席しか狙えないので、結局花道が見えない席になってしまいましたけど、そんなの問題じゃあありませんでした。
話は策略、裏切り、あだ討ち、などなど、人間が引き起こしそうなことが満載ですが、歌舞伎はそうしたことを描くのは得意中の得意なんです。
身内のどろどろなんて伊達騒動を扱ったものが有名。あだ討ちはもう色々。人の気持の複雑さは『俊寛』なんてすごいものがあったり、、、、、。
歌舞伎をご覧になったことがないかたは、私だってついこの間までそうでした、形式的なつまらないもの、と思うでしょうけど、いえいえ、その「型」あるいは「形」は長い間に鍛えられて残った磨かれたものなんです。
「形がないものはただの形無し」
これは真実ですよ。
人の気持のいったりきたり、アクションシーン、などなど、もう「たっぷり」味あわせてくれます。
もとのマンガを知らなかった妻は「あんな話だったの」と、しきりに感じ入っていました。いやあ、、、、ホントに。
あの話を生身の人間が、それも伝統に鍛えられた「名状しがたきもの」を見せてくれる人間が演じる.。.。すごい出来事でした。
僕はあのテーマなどを和楽器で編曲した音楽にひたすら感動しました。どこかアジア、中近東などを感じさせるんです。あれCDにしてほしいです、ほんと。
で、花道が見切れてしまっている座席だったので、来年2月に映画としてこの舞台は上映されるのですが、ずうううえったいに観に行きます。
再演は.。.。。難しいかも.。.。。いやあ、長生きして良かった.。.。。