というわけで、読み直しをしました。たぶん、これで4回目くらいです、読み直すのは。今回は電子書籍で読みました。
大筋は覚えてしまっているのですけど、こんな話だっけという感じ、新鮮な感動がありました。やはり世紀の傑作です。
突出したアイディア、書きたいことがほとばしって、時折物語からはみだしてしまいそうになるんですけど、それがまた良いです。
半村さんの原動力、マグマのように噴き上がるのは、庶民が普通に暮せない事への怒りです。伝奇もの、なんて感じで読むと、つきつけられます、それを。
出てくる人間すべてが自分の命を懸けて行動しています。その迫力。ここのところ読んでいるものとは全然違います。腹にずーんときます。
僕はいま、高橋さんの「竜の柩」を読み直しています。これもすごいですね、やはり。どちらもすごく影響を受けました。
何年も膨大な資料と格闘し、細部に至るまで考え抜き、説得力のある物語を太く語る、そんな小説は何度読んでも感動的です。