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海辺の風景

海野さだゆきブログ

「恋する鬼門のプロトコル」全3巻出口きぬごし著 をんイラスト 電撃文庫

異能バトルもの。幽霊が見えるという能力がある主人公。高校入学で同じクラスになった美少女に触れた途端にとんでもないものに襲われます。彼女には霊狐という超現実的な存在がとりついており、彼が襲われたのはその霊狐にかけられた呪詛だったのでした。

 

付き合いだしたふたり、しかし、彼女に触れれば呪いが、でも触れたい、その上彼女にとりついた霊狐はきわめて蠱惑的な美少女でもあるので、体を一にしながらもの奇妙な三角関係?になってしまっています。

 

歴史関係の伝説、都市伝説みたいなもの、コンピュータ技術、ヲタク的話題、を詰め込んで、多彩と言いたいところですけど、段々とまとまりがない感じになっていってしまってちょっと残念です。

 

巻が重なるに連れ、その傾向は増して行きます。最後に仮想OSまで出てきますけど、これが答えですと出されて、なーる、と分かる人がどれだけいるのでしょうか。Xenを実際に走らせているような人ってどんだけいるんでしょう?辻は悪役としては最適かもしれないですけど、本人はあんなに賢くないですよ、元の人物を知らないと説明が必要な感じなので、ちょっと分かりにくいかもしれないです。

 

分かりにくいだろう事項は、話の展開の中でわからせてゆくような作りでないときついような。。。。。

 

そして、人間である新美たまもちゃんと、霊狐のちーとの関係性が、同時に出現できないというハンディのために、絶縁してしまっているというのが、物語的に、構造的に欠点となってしまっている感じがします。要するに対立項として成り立たない。。。。なにしろたまもちゃんはちーを知らないのです。なので、三角関係は主人公の主観の中にのみ存在する、ということになってしまいます。ちーは寄生しているわけですから、宿主を否定できないでしょう?依り代を他にするっていうことがなぜ出来ないのか、という、すぐに思いつきそうなことへの解答が見当たらないのです。

 

材料は良質、でもちょっと調理を焦った、というかんじでしょうか。