海辺の風景

海野さだゆきブログ

自作曲たちを成仏させる

いよいよ身辺整理の必要をひしひしと感じるこのごろです。一番の未練は自作ものです。さっさと処分できないのです。

 

音楽に関してはギターを買ってもらった時から自作をしていました。替歌のレベルでしたけど。なのでウン十年の蓄積があるんです。人前に出たのは数曲。友人知人に聴いてもらったのは十数曲でしょうか。

 

僕は「アマチュア映画の音楽担当になりたい」が音楽活動の柱でしたので、作る曲もそっちに片寄りました。曲というよりもサウンドエフェクトなんですね。

 

妻によれば「聴いていて苦痛」なんだそうですが(笑)。そりゃそうですよ、わさびとかしょうがとかのたぐいですから。

 

僕は自作を自己分析して、そこにあらわれた傾向を自分の特徴として意図的にやるという方針をずっとやってきました。

 

どういうことかといえば、6度と9度の多用です。メロディがドラシレとかなるんです。これをとにかく核にするんです。するとなんかボヤーっとした感じになるんですね。そしてメロディは最長8小節。それを繰り返すという構造です。

 

なんかボヤーっとした短い旋律が繰り返される。まあ、これだけ聴いていたら苦痛ですよね。まちがいなく。牛丼屋でべにしょうがばっかり食べるひとはいませんよね(笑)。

 

でも、これ、アマチュアレベルの映画には丁度良いサイズだったんですよ。おわかりと思うのですけど、山登りにたとえると、これ、下山の後半なんです。じゃまにならない。

 

当時は8ミリフィルムです。それも撮影速度、上映速度が一定にならないという撮影上映環境だったのです。信じられます?何秒か測って、それに合わせて作っても音入れの時に合わない(笑)。おかしなところで切られてしまうのを覚悟しないといけないんです。

 

徹底的に素材、それもまんがのスクリーントーンみたいな使われかた、として作らないとだめなんです。

 

8ミリはやがてビデオになりましたが、事情はあんまり変わりませんでした。綿密にプロダクションをやるというようなアマチュア監督さんがそもそもいません。既製の音楽を適当に「無許可で」使うというパターン。随分と「就職活動」したんですけど

 

「え?音楽担当?音響じゃなくて?」

 

で、おしまい。そもそも一本ちゃんととれる人がいませんでした。アマチュアとはいえ、役割のちがう複数の人間をまとめあげられるひとなんてそうはいないものなのです。

 

で、人生で参加できたアマチュア映画は2本でした。ちなみに両方ともとった人はその後映像関係のプロになりました。つまり僕はプロになるようなひとのアマチュア時代をお手伝いしたわけですね.。.。ラッキーだったんですねえ、僕は。

 

で、ボヤーっとした短い繰り返しだけのサウンドエフェクト的曲の山が残りました。

 

成仏させてやりたいなあ。でも僕は映像はだめだめです。じじいになって暇になったらお願いしようと思っていた友人は2年前に天国にいってしまいました。映像付きはあきらめるしかないのです。

 

今のDAW環境でちゃんと音にしてやる、しかないですね。それだって50年前からすれば夢の環境です。はい。

 

どっさりある譜面は無念の集積です。音にして成仏させたら譜面は燃やして供養してあげましょうか。

 

で、こんなものも出てきました。

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大貫妙子さんにもらったサイン。

 

楽譜に、それも自分が使っていた楽譜にサインもらったんです。すけて見えますでしょ、手書きのおたまじゃくし(笑)。

 

この譜面でさえ40年まえかよーーーー!ひえーーー。我がサウンドエフェクトたちが祟り神になるまえに成仏させないといけませんね(笑)。