海辺の風景

海野さだゆきブログ

人生の後片付け

CDを売り払った。一時は2000枚はあったと思うけど、随分と売り払ったつもりでも250枚はあった。残ったのは10枚位。どうしても残すというものではなく、売り物ではないから、とかの理由で残っただけだ。売却額が10万円を越えたのにはちょっと驚いた。

 

ずっとこのところ持ち物の整理を続けている。理由は簡単、今後いまの広さのアパートには住めないことが分かっているからだ。部屋は大幅に小さくなる。多くは持って行けないのだ。

 

CDを売り払って意外な「効果」があった。以前より音楽を真剣に聴いているのだ。そう、音楽たちはデータとして手元には残っている。たぶん、僕はCDを「持っている」ことで何かが止ってしまっていたのだ。

 

聴いていると、案外ボンヤリと聴いていたことが分かった。なんだよ、俺、ちゃんと聴いていなかったじゃないか、と意外な自分の実際が分かったのも収穫だ。

 

SpotifyってLinux用があったのには驚いた。早速入れてみた。『ヒットの崩壊』は読んだけど、じゃあストリームサービスを使ってみようかとは思わなかった。Linuxに対応しているというので初めて興味が出た。

 

知っているものを検索して聴くという使い方は、確かにすぐに天井が見えた。なにしろ聴きたいものはCDとして所有していたから、今でもデータとして残っている。劣化した音質で聴く必要はない。

 

やっぱりラジオみたいな役割を求められているのだろう、プレイリストという「目利き」たちが選曲した番組みたいなものがある。だよね。ただ、それも僕には物足りない。NHK-FMみたいな本当になんでもある状態には程遠いから。出会いの範囲が狭い。

 

例えば日曜日なんて、午前中から夕方までNHK-FMを聴いているけど、「名演奏ライブラリー」「吉木りさのタミウタ」「トーキングウィズ松尾堂」「きらクラ」「洋楽グロリアスディ」「ワールドロックナウ」「サカナクション山口一郎Night Fishing Radio」という具合いだ。この出会いの幅は正直すごい。

 

でも、Spotifyは楽しいね。低音質でも十分だと思う。音質追求は疲れるからね。音より音楽を楽しむってのは大事。年間12000円払おうかなあ。と思える。

 

ものがなくなって中身と真剣に付き合う姿勢を取り戻したのは良いことだと思う。

 

まだまだ「後片付け」するものは沢山ある。自分を見つめ直すというより、直面させられ考えさせられるのもなかなか楽しい。