舞台は中近東。両親を空爆で亡くしたナツキはアラル海が干上がったところに建国したアラルスタンに流れ着き、その後宮でエリート教育を受ける。そうした政策を推進した指導者の暗殺を機に、ナツキたちは暫定政権として周辺国からの干渉に、そして内政問題に立ち向かってゆく。
と、書きますと、すごい硬派、豪速球みたいな小説を思い浮かべると思います。実際、出だしは棍棒でなぐられるような衝撃とともに始まります。
ですが、その先はまるっきりライトノベルみたいなんです。いや、本当に。膝かっくんですよ、本当に。でもまあ、あまりに深刻な内容を深刻に記述すると、読み進むのが辛くなってしまう、から、でしょう、と思いました。
なかなかに読みごたえのある軽い記述に導かれて、あっというまに読み終えてしまいました。
ソビエト連邦の犯罪はいまだに裁かれていません。それは現代の大きな問題なんです。本当に。
絶対のおすすめ。腹にずしんと来ます。