海辺の風景

海野さだゆきブログ

『Sea Breeze 2016』角松敏生

角松さんは天才だと思っています。僕にとって天才というのは、どうしようもなく追い詰められたときに「聴けた」音楽を作った人のことです。そういう状況ですと、音楽さえ遠ざけたくなるのですけど、それでも耳に心に響く何かをもっている作品を作る人は確かにいます。

 

で、例によって遅れて購入しました。実は半信半疑。「歌を入れ直した?」それは今の方が絶対に歌は圧倒的に良くなっているんですから、悪かろうはずがないですけど、それが角松さんの「今」を表現するものになっているのでしょうか?などと思ったのです。

 

しかし、聴いてみてびっくり。これ、なんというか、この手があったのか、といいますか、このやり方でやってのけてしまうのか、とひたすら驚きました。

 

演奏は30年前のままですから、「サウンド古くなっていないのか?」と思うのは普通かと思いますけど、そういうものではないのですね。

 

角松さんの歌が30年前の演奏家をそのまま「タイムトンネル」で現代のスタジオに立たせて演奏させてしまったのですよ。

 

たまげました。

 

正確に描写すれば。当時の演奏家の実力がはんぱなく高かった。そのセッションと丁々発止のやりとりを楽しんでいるというとってもライブ感あふれる歌唱なんです。

 

これ、角松さんのライブ盤なんです!時空を越えたライブ盤。すごい!

 

あの頃を懐かしむものじゃないんです。この21世紀のライブレコーディングなんです。確実に「今の」角松さんなんですね。いやはや。。。。

 

参りました。