海辺の風景

海野さだゆきブログ

「デッド寿司」井口昇 監督

公開時、とても観たかったのですけど、逃してしまいました。メディアを買うことも考えたのですけど、配信で観ることができました。僕は基本的にこういう作品、大好きです。

 

主演の武田さんは、他の作品でちょっと拝見したことがありました。動きも素晴らしかったのですけど、いかんせん、現在の日本のアクション映画はなにかこう、爽快感がないんですね。

 

たとえば、『チョコレートファイター』は、話は暗澹たるものがありますけど、壮絶なアクションの果てに、ちょっと希望が持てましたので、爽快感があったのです。

 

まず思ったのは画が綺麗だなあ、ということでした。これはカメラの性能のことを言っているのではないです。カメラ、照明、小道具、大道具、衣装、すべてうまく機能しないと画は綺麗になりません。監督の手腕がそこに出るのです。なので、これは安心して観られるな、と思いました。

 

話は主人公が実家の寿司屋で父親にしごかれる、というところから始まります。お母さんはどうなったの?とか、食物屋で長い髪の毛露出は料理人としてまずいでしょう、とか、どこで特訓しているのよ、とかは気にしてはいけないのです。

 

すべて本歌取りなのです。つまり「元ネタ」を知っていると、もっと楽しめる、という作りなのです。そして、武田さんがかわいらしく見えるための「ツインテール」なのです。おじぎに大げさな効果音がつくのも、そう、「らしさ」の強調です。

 

はっきり言って「わざとらしさ」を強調するためです。その「わざとらしさ」を楽しめるかどうか、そこがポイントですね。エログロの部分もそういうことです。

 

音楽も良いです。武田さんはすごくかわいらしく撮れていました。アクションも「らしくて」よいです。しつこいスプラッターも「らしくて」よいです。

 

映画って「らしさ」で出来ているのですから。これぞ映画ですね。お勧めします。ブルーレイで買おうかな(笑)。

 

 あ、難しいこと言えば、「食べる」という行為は「食べられる」という行為に直結しているんですね、だから怖いんです。「採り入れる」という風に言ったら、もっと具体的でしょう。「採り入れる」という行為は「取り入られる」ことに直結していますので、エロの部分もそういうことでテーマに沿った大切な部分なのです。