ライトノベルの学園ものにはへんてこな部活動が色々出てきます。これはなんと「雨乞い」。僕はてっきり人工降雨技術を駆使した、ばりばりに理系の部活動だと思っていたわけです。
ところが、これが古典というか原始的というか、由緒正しい雨乞いの「踊り」を駆使した体育系の部活動でした。
部活動に興味なしの主人公がどさくさに紛れて入らされてしまったこの部活。ちゃんと公式戦がありまして、個人競技、ターゲットとなるのは女性が着ている白いTシャツの下につけているブラジャーに書かれている四文字熟語を読み取る、というもの。。。。。。
団体競技は降雨量と踊りの芸術点。。。。。。
競技として面白くないなあ、と思ったのです。曲や踊りに関しての蘊蓄が語られるのですけど、そこが面白くないのです。作者は雨乞いを「踊り」とくくってしまったのですけど、そうなると「踊り」の面白さって何よ、って描写が難しいじゃないの?と心配した通りになりました。
2巻目は関東大会、全国大会と進みますが、出てくる高校があまりにスノッブすぎて、小学生の描いたまんが並に類型的になってしまいました。
本筋の不足を、先輩で気象予報士のお天気番組でのギャグで補足しようとしたのでしょうけど、この部分が滑ってしまっていますので、かえって散漫さを拡張しただけになっています。
僕が期待した人工降雨という実際に大規模に実験されていることを部活でやる、というのならばSF的に、壮大に展開した話になるのでは、と読後の今も残念です。
というのも、僕は小学生高学年の時にライフ誌で人工気象の記事を読んで気象にはひとかたの興味があったのです。「放課後ロケッティア」のような青春ものって感じにも達していないので、主人公が部活に冷淡だったのが変化してゆく、という部分もあんまり盛り上がりませんでした。
うううーん、残念です。雨に濡れてシャツが透けるなんてことに結び付いちゃった時点で、気象という壮大な現象が矮小化してしまって。。。
ううん。かなり期待したんですけど。ちょっと残念でした。