海辺の風景

海野さだゆきブログ

『クソゲー・オンライン(仮) 「運営は全員逃げたけどなんの問題もないわ!」ちとせ八十八 著 にろ 東雲太郎 イラスト』

なんてタイトルだろうかと思いましたら『ざるそば』の作者さんだったのですね。運営が逃げ出し、宣伝したステージも未実装、おまけにユーザがリミットを切りそうで、サービス停止寸前の状態のオンラインゲーム。そこに参加していた主人公はゲームマスターになってサービス停止を阻止すべく奮闘することになりました。

 

僕は遅れすぎて来たゲームを楽しんでいる老人なので、online gameというモノをまったく経験していません。なんかこう、ただでさえ毎日人と関わるのがうっとうしいという怠惰な人間なので、遊びの世界で同じ様な苦労をしたいとは思いませんのです。

 

職場で「ログアウト」とは有給をとることだったり、果ては辞職することで、結構生々しい手続きなのですけど、それでも綺麗さっぱりおさらば、とはいかないものです。online gameではどうなのでしょうか。はて。

 

読んでいて面白いと思うのは、ゲームの作りの部分ですね。なるほどと思うことたびたび。「面白いけどクリアできないゲーム」と「つまらないけどクリアできるゲーム」の間でユーザは揺れるんですよね。

 

オンラインではないですけど、「MYST」というゲームである課題をクリアするのに一月かかったことがあります。分かった時のなんとも言えない疲労困憊と達成感が混じったあの感じ。「やっぱり人は見ているようで見えていないし、聞いているようで聴えていない」ということを思い知らされた課題でした。そのいわゆるAHA体験が人には快感なのですよね。

 

さて、主人公は例によって振り回され続けますけど、ポイントポイントでは果断なのです。結構なことです。人生もゲームも決断するってことで成り立っていますから。結果は人生ではないですよ、決断だけが人生です。はい。そこが分かればゲームも人生も楽しくなると、老人は思うのです。はい。

 

あ、これ、続巻でるのかしら。。。。。