海辺の風景

海野さだゆきブログ

ますむらひろしの北斎展 八王子夢美術館

ヨネザード、アタゴオルの世界を描き続けているますむらさん。あの内田善美をして「まんがってこういうのをいうんだよ」と、欄外に書かせた、というのは、さておき。

 

ますむらさんの世界も、水木先生同様、最初はかなり毒を持った、暗黒面を持った世界を描いていました。それが、あの白日夢のような描き方の一時期を通り過ぎ、割合と受け入れやすい形になった、と思います。

 

そうは言っても、ヒデヨシという猫は平気で人を裏切るし、労働はしないし、、、お話もただほんのりとかほのぼのとか、そういうものとは無縁の、宇宙的な厳しさを持っていたりします。

 

で、そのアタゴオル世界と北斎がどう交差するのかって、もうポスターの画を見た瞬間大笑いしました。だよね。こうなるよね。

 

祝日の11日。夢美術館は静か。そこそこお客さんがいたのはうれしかったですね。美術館は2階。1階はテナントが空いていまして、初めて来る人は戸惑うかも。

 

もう作品は楽しかったです。もうおかしくて、おかしくて。ますむらさんの文章も添てあるのですが、それがまたおかしくて。

 

模写、コピーって勉強になるんですよねえ。ますむらさんも最初はゆるい写しだったのですけど、どうにも違うものになるのに気が付いて、しっかり配置などをコピーしたそうです。ですよね。

 

ますむらさんは「遠近法がおかしい」と苦しんだようですけど、一点からしかものを見ない、という画ではないのですね。そこがイラストの極地ってことだと思います。色々な視点で見たものを構成してゆくという、絵巻物みたいな作りなのだと思います。だから、見飽きないのです。

 

グッズもばっちり購入。楽しい午後のひとときでした。