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海辺の風景

海野さだゆきブログ

多摩川河口までの往復100km

多摩川の河口は僕の大学生活での思い出の場所です。どうにもならない思いを抱えて自転車で行き、そのまま夕暮れの中に沈んでいました。そこは、でも絶望の場所ではなくて、反対に希望の場所でした。それを象徴したキャラクタを僕は下手くそなまんがにしていたりしました。

 

いまは自宅から50kmあります。当時は住んでいたのが世田谷区でしたから、遠い、という感じではなかったのですけど、気持ち的にはすごく「遠い」場所でした。

 

大好きな作家、清水マリコさんは、この場所を舞台にした作品をふたつも書いています。どちらも僕のあの場所への思いと不思議と重なる作品です。

 

人生、ちょっと気持がごちゃごちゃしてきたので、思いきって自転車で行くことにしました。そう決めたら予定の日がことごとく雨。なんなのでしょう。試されているのでしょうか。今回も夕方から小雨の予報でしたけど、もう引き延ばすのはいやだな、と出発することにしました。

 

僕の趣味用自転車はキャノンディールのキラーV。マビックのリムにチューブレスタイヤをはいています。メカはSramのXOです。あまり乗らない状況が続いたので、あまりメンテしていません。

 

556で有名な呉工業が自転車用のケミカルを出したというので、早速購入しました。通勤用には勿体ないので、ずっと使っていませんでした。今回長距離ですし、使ってみました。

 

結論から言えば、これは素晴らしい製品です。絶対のお勧めです。

www.kure.com

 

帰りは雨の中50kmでしたけど、とても快調でしたし、帰宅してみてみたらごみがほとんどついていなかったです。

 

さて、久しぶりの河口です。最後にいったのはもう3年以上前です。Opelのオメガちゃんで行きました。もうオメガちゃんは「いません」。

 

多摩川のサイクリング道はちょっとずつ改良されてきました。ただ、残念なのはロードレーサーでぶっ飛ばす人と歩行者、ランナーとの事故が結構あったみたいで、「走り屋防止」のバンプがあちこちにあることです。あれ、イヤです。本当に。

 

今日もTTよろしく飛ばしている人がいましたけど、あそこまで前傾姿勢で前なんか広くは見えないでしょう。でも、近くの保育園が土手で遊びに来ていたり、年取った方がちょっとふらふら歩いていたりするわけです。危ないです。

 

レーサーの人もどうみても時速20km以上出ていますけど、歩いている人からすれば怖いですよ、絶対。歩行者追い抜くときもスピード緩めないし。。。。そのうち事故をきっかけにレーサー禁止になりかねないと思います。

 

さて、大師橋から先。ここはずいぶんと変りました。再開発が進んでいます。きれいな公園もできていました。新しい社屋もあります。サイクリング道路も広く新しく舗装されていました。

 

水は、海の水と川の水とが交差し、交わるようでそうはならない、あの独特の水の深さ、重さ。僕はそれがやはり好きなのだ。ここの水辺は特別だ。

 

風が強くなり、雨がこぼれはじめる。飛行機がひっきりなしに着陸する。低い空、それでも押し潰すようなものはない、解放された空間。

 

ばらばらとゴアテックスをうつ雨。20代の僕はもうどこにもいない。過去はもう消え去るのみ。ここにいるのはいまの僕だけど、ここでは時間はすでにあいまいだ。今であり過去である、時間がまじりあう場所。川の水と海の水とが混じりあうようでそうはならないように。

 

雨は強くなってきた。東京側にならぶ高層住宅の灯り。大きな災害がきたら川辺の建物はどうなるのか。そんなことを思った。暗い道をひた走る。ようやく自転車の漕ぎ方を体が思い出してきたようだ。

 

もう、1日で往復はしないだろうな。夜の川縁の風景は静かできれいだった。次は河口近くで宿をとって、夜をずっとみつめていたいな、そう思った。