海辺の風景

海野さだゆきブログ

「レジン キャスト ミルク」全8巻 別巻2巻 藤原 祐著 椋本夏夜 イラスト

現実とは別の、もしかしたら存在したかもしれない現実に存在した人間たち、彼らは現実の人間を利用してその存在をこの現実に維持している。彼らは例外なく特殊な力を持つ。

 

まあ、学園異能バトルものってことなのだと思います。話が長かった。。。。。シュレジンガーの猫をはじめとして、科学の用語をちりばめながら、わりと壮絶なバトルが展開されるのですけど、

 

世界の存亡に関わるようなバトルなのになんで主人公のまわり、それも学校を巻き込んでご近所でしか生じないのかなあ、とか思い始めると、読み進むのがちょっと辛くなりました。

 

もちろん、作中その説明はあるのですけど、身近な人を巻き込んだ親子ゲンカなのには変りないので、迷惑な家族だわな、で老人としては思考が止ってしまうのです。

 

それはもしかしたら作者も思っていたのかもしれません。無理やり悲惨になってゆくようなバトルよりも、ねーよ帝国主義の必須「かわい子ちゃん最低5人出しとけ」で登場した女子のかしましいやりとりの方が生き生きしているのですね。

 

番外編が2巻もあり、それのどちらも「女子の日常」ですからね。ファンの方は作者の傾向を正直に読み込んでいたのではないでしょうか。

 

まあ、でも、いろんなタイプの女子揃ってますって、どうにも無理を感じるんです。この作品はもちろん、ライトノベル、ゲームなどなど、多いですけど。

 

性格が固定的っていうのが、そもそもロマンちっく過ぎると思うのですけど、どうでしょう。人は状況次第で結構多彩な側面を繰り出します。女子もね。ひとりの女子の色々な側面を引き出すような付き合い方って、そんなに難しいんでしょうか?人のもつ色々な側面を複数のキャラクタに分裂させるって、おれはぜってーかわんねーぞ、っていうえばり野郎のメンタリティーじゃないのかなって、人を決めつけるって、そんなことを思うのです。

 

この主人公もけっこうえばりです。作中、女子登場人物のみなさんはもっとこの主人公をこてんぱんにやっていただきたかったです、はい。親兄弟に失敗作とか言われるくらいでぐらつくなんて、甘いです。女子の鉄槌を!