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海辺の風景

海野さだゆきブログ

「レターズ/ヴァニシング」1、2巻 旭蓑雄 著 おぐちイラスト 電撃文庫

世界の物質のすべてが世界言語と呼ばれるものによって記述されたものであることが発見された。人類は視覚器官を手術することでその言語を可視化でき、一部の人間はその言語の書き換えさえできるという。

 

話は怪物と恐れられた存在、でも少女なんですけど、を巡るサスペンスとして不気味な速度で進んで行きます。色々な分野の知識を巻き込みながらの疾走感は相当のものです。すごいですねえ、読ませます。

 

え、そんな難しい話、ライトノベルの枠じゃないだろうって、そうなんです。これれっきとしたSFです。少年少女の恋愛も織り込まれているので、その部分がライトノベルの体をなしていますけど、それさえ、物語の大きな流れの中では、無慈悲に回収されてしまう感じです。

 

世界言語が書き換え可能、ということは当然、生命に関してどうなのよって、すぐ思いますよね、そうなんです、そういう巨大な不安を読み手は抱えながら読み進むしかないです。

 

ゲームを搦めた謎解きといい、お見事でした。

 

それで、第一巻の終末が見える頃に僕は、すでに2巻が発行されているのを知っていましたし、手元にそれがあったので、

 

これ、すごい話だけど、2巻目はこのままではライトノベル的な「異能バトルもの」になっちゃうのじゃないかしら、などと思ったわけです。

 

はい、僕が甘かったです。第二巻は第一巻で背景としてあった根本的な問題に正面から突っ込んでいます。おいおい、これ、かなり絶望的な。。。。と僕は思いました。

 

これ、続き書くのでしょうか?僕でしたら希望を持って第三巻を書くなんて想像できませんけど、この作者ならば突撃するような気がします。

 

あ、そうそう、美女とか美少女とか出てきますけど、ねーよ帝国主義を完全に「書き換え」てしまっていますので、まったく萌えようもないほど乾ききっています、といいますか、美女であるのがかえって嫌だなあ、とさえ思ってしまうわけです。

 

ねーよ帝国主義破れたり。。。。

 

お勧めです、この作品。