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海辺の風景

海野さだゆきブログ

「ガンパレードマーチ2K未来へ」第3巻 榊涼介著 きむらじゅんこイラスト

何度も言うけど、僕はひどく遅れてきたガンパレのファン。なにしろゲームもまだ一度もクリアできていないくらい。ただ榊さんのガンパレはすべて読んでいます。というわけで、僕にとって榊さんのガンパレガンパレなのです。

 

ガンパレの設定をつきつめてゆくなか、この「未帰還兵」の問題を、本当によくぞ取り出してくださったと、本当に、本当に感謝しています。僕は先の総力戦にだいぶ興味があって、色々な本を読みました。

 

(引用開始)

それにしても、戦後、毎年行われる原爆慰霊祭や、平和祈念式が、ときとともに「復讐の誓い」にならないことを祈る。

歳月のたつことは恐ろしいー日本人の平和の叫びを、はたしてどこの国が、真剣に聞いてくれるだろうか?

(引用終了)「最悪の戦場に奇蹟はなかったーガタルカナル インパール戦記」高崎伝著 光人社NF文庫

 

この文章は1974年に本になっています。アメリカ軍のオペレーションぶりを目の前にして、敵ながらあっぱれ、「おれも一っぺんでいい、こんな緊密な連絡のとれる戦いをやってみたい」とつぶやく鈴木少佐(358ページ)、つまり日本軍がいかに連絡のとれていない戦いをやったか、ということでしょう。。。。とか、戦後の捕虜生活、の意外な実相とか。。。。「敵味方に分かれてどんぱち」なんていうことがいかに事実と違うのか、よくわかる名著です。

 

戦争は殺し殺されるという場に放り込まれるということです。誰が?社会で一番そういう場所に追い込まれやすい人たちが、です。ガンパレは学兵の犠牲を描くことで、実際に戦争になったら、回収もされず野晒しの遺体となるのは、君たちではないのか?と若い読者に問いかけていると思います。

 

僕はもう予備役でさえない年齢になりました。残念なことですが、弱くなった者にこの社会は決してやさしくなどないです。持たざる若い人たちを使い捨てにするような社会に怒りを覚えます。若い人たちは、やはり学ぶしかないです。それが唯一の脱出への希望となり、力となります。

 

死を約束することが社会とのかかわりとなるなんていうことにだまされてはいけません。人を死に追いやるような奴等の狙いは自分の富権力だけです。社会は死んだ人のことなどすぐに忘れるのです。死は社会との関わりの契機とはなりません。兵隊は「ひゅんと死ぬ」だけです。そこに何のドラマもありません。

 

みじめと思えるような境遇でもなんでも、生き延びること。肚を決めて、生き延びること、です。